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先端レーザー科学教育研究コンソーシアムCORAL開講科目

2022年度後期(冬学期・Aセメスター)先端光科学講義U
開講時期: 10 〜 2月 月曜日2限目(10:25 〜 11:55)
教室: 東京大学本郷キャンパス 理学部化学本館5階講堂(ハイブリッド講義)
(随時、最新情報をウェブサイトで確認すること) 
日付 タイトル
担当
内容
10/3(月)
ガイダンス (オンライン)
11/14(月)
レーザダイオード(LD)励起固体レーザの設計
京セラSOC株式会社 角谷実

LD励起固体レーザは現在では計測から加工まで幅広く用いられ,用途に応じた様々な波長,出力,動作モードのものがある.このうち小型で連続波出力のレーザを例にとり,必要な出力を得るための設計や波長・スペクトル制御方法について概説する.ミスアラインメントを光線行列に加えた解析方法のレーザ共振器への適用についても紹介する.また,レーザ動作の理解を深めるために,レーザレート方程式に立ち戻って緩和振動や利得スイッチングなどの動的特性についても説明する.

キーワード: 固体レーザ,LD励起,緩和振動,光線行列,波長制御,波長変換
11/28(月)
先端光科学におけるフーリエ光学応用
慶應義塾大学大学院理工学研究科 神成文彦

フェムト秒レーザーのような広帯域光パルスの応用においては,時間域と周波数域のフーリエ変換が様々な用途に応用される.本講義では,フーリエ光学を用いた,パルス波形整形,パルス波形計測,2光子励起スペクトル計測,CARS,光コヒーレンストモグラフィなどの原理と応用を学ぶ.

キーワード: フェムト秒レーザ,空間光変調器,フーリエ変換,時間波形整形,スペクトル位相測定
12/5(月) 半導体デバイス産業における電子線検査・計測装置の適用
株式会社日立ハイテク 酢谷拓路

半導体デバイス製造において電子線を利用した検査・計測装置の原理を説明する.また,それらの装置を用いたアプリケーションについても実際の結果を元に紹介する.

キーワード: 電子顕微鏡、SEM、二次電子、反射電子
12/ 12(月)
生体分子を観る!測る!
オリンパス株式会社・株式会社エビデント 渡部智史, 杉山崇

形態から生体内分子の機能や相互作用の観測へ,21世紀の医療・ライフサイエンスの発展を支えるイメージング機器は,大きくその役割を変えようとしている.その背景にある技術は何なのか?本講義ではその一端を,顕微鏡分野を中心に,レーザ技術との関連を含めて概説する.

キーワード: 顕微鏡の発展,共焦点顕微鏡,レーザー顕微鏡,生体分子,細胞,蛍光イメージング
1/16(月) 電力プラントにおけるレーザ応用保全・検査技術
株式会社東芝・東芝エネルギーシステムズ株式会社 椎原克典

産業界、主に電力プラントシステム等で活躍するレーザ応用技術(レーザー超音波探傷、レーザ溶接、レーザピーニング)や光応用計測技術の概要について学ぶ.個々の技術の原理,実用化のための課題とその解決方法などを中心に解説する.

キーワード: レーザ超音波法、レーザピーニング法、非破壊検査、応力改善
1/23(月)
フェムト秒ファイバーレーザー
イムラアメリカ・アイシン精機株式会社 大竹秀幸, 堀喬

フェムト秒パルス発生とファイバーレーザーの基礎,そしてファイバー中の非線形効果を学び,フェムト秒ファイバーレーザーとその最新の応用について学ぶ.

キーワード: 産業用フェムト秒ファイバレーザー,非線形ファイバー光学
  1/30(月)
光ファイバとその応用技術
古河電気工業株式会社 高坂繁弘

光ファイバの製造方法から基本的な特性とその応用技術までを紹介する.光ファイバの伝送損失が著しく小さいことが太平洋横断の光通信を可能にした.低損失な光ファイバの製法紹介から講義を始め,シングルモード・マルチモード,波長分散,曲げ損失,接続などといった光ファイバの特性や取り扱いを紹介する.次に長距離光通信を支えるEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier) とラマン増幅を議論する.EDFAを基礎として発展したファイバレーザーにも触れる.最後に光通信では信号を劣化させる要因である光ファイバ中の非線形光学効果をむしろ積極的に利用する高非線形ファイバを用いた,光パルス圧縮技術によるフェムト秒パルスの発生とパラメトリック効果を利用した増幅技術を紹介する.

キーワード: 光ファイバ,VAD(Vapor phase axial deposition method,気相軸付け法), MCVD(Modified chemical vapor deposition method,化学気相成長),シングルモード,マルチモード,融着,MFD (mode field diameter),分散,曲げ損失,カットオフ波長,EDFA (erbium doped fiber amplifier),Raman増幅,高非線形ファイバ,光パルス圧縮ファイバ,光パラメトリック増幅



2022年度後期(冬学期・Aセメスター)先端光科学実験実習U
開講時期: 10 〜 2月 火,水,木曜日の各曜日3〜5限目(13:15 〜 18:35)
教室: 東京大学本郷キャンパス 理学部化学本館地階1003号室・他
日付 タイトル
担当
内容
 10/3(月)
ガイダンス(オンライン)
11/15(火),
    16(水),
    17(木)
レーザーの時間応答制御と波長制御
京セラSOC株式会社 角谷実

LD励起固体レーザの励起用LDの温度や駆動電流を変化させることで基本的な動作を確認し,さらに駆動電流を変調することで緩和振動や利得スイッチング動作を観察する.また,ガラス基板に温度勾配を与えることで動作する光偏向器の動作を確認し,これを青色LDの拡張共振器に挿入すること可動部のない波長可変レーザーの動作を試みる.(6名)

キーワード:固体レーザー,緩和振動,利得スイッチング,波長制御,光偏向器

11/29(火),
    30(水),
12/1(木)
フェムト秒レーザ波形整形と周波数域干渉波形計測
慶應義塾大学,
東京大学大学院理学系研究科 岩ア純史・安藤俊明

チタンサファイアフェムト秒レーザー発振器から出力されるフェムト秒レーザーパルスを用いて,液晶空間光変調器を用いた4fフーリエ波形整形器を実際に組立し,フェムト秒レーザーパルスの整形された波形を周波数干渉によって計測する実験を行う.(4名)

キーワード:フェムト秒レーザ,空間光変調器,フーリエ変換,時間波形整形,スペクトル位相測定

  12/6(火),
     7(水),
     8(木) 
半導体デバイス産業における電子線検査・計測装置の適用 
株式会社日立ハイテク 酢谷拓路

 実習では、卓上走査電子顕微鏡を実際に操作し、電子線を用いた検査を実践する. 

キーワード: 電子顕微鏡、走査電子顕微鏡、SEM、二次電子、反射電子 
12/ 13(火),
      14(水),
      15(木) 
生体分子を観る!測る!
オリンパス株式会社・株式会社エビデント 渡部智史,杉山崇,米丸泰央

本実習では生体分子の観察・測定を,実際の細胞を用いて行う.具体的には位相差顕微鏡による形態観察および蛍光顕微鏡による分子イメージングを行う.各顕微鏡の仕組みだけでなく,顕微観察が生物学の発展にどのように貢献してきたかを顕微鏡の発展と共に体験してもらう.また,最新の顕微鏡法に基づくバイオイメージングおよび生物学における意義についても紹介を行う.(6名)

キーワード: 顕微鏡の発展,共焦点顕微鏡,レーザー顕微鏡,生体分子,細胞,蛍光イメージング
  1/17(火),
     18(水),
     19(木) 
光を用いた検査技術の実習 
株式会社東芝・東芝エネルギーシステムズ株式会社 椎原克典,廣田圭一,星岳志,山本摂

 レーザや光を使った予防保全検査技術(レーザ超音波探傷,レーザピーニング)とそれに関わる計測技術の基礎について実験を通じて学ぶ.それぞれの光源の特徴に応じた取扱や光学系の調整方法を習得すると共に,レーザと材質との相互作用に対する理解を深める.(6名) 

キーワード: レーザ超音波法,レーザピーニング,非破壊検査,残留応力計測 
1/24(火),
     25(水),
     26(木)
フェムト秒ファイバーレーザーを用いたモードロックと非線形効果の観測
イムラアメリカ・アイシン精機株式会社
東京大学大学院理学系研究科 岩崎純史,安藤俊明

フェムト秒ファイバーレーザーを用いて,モードロックされた状態でのパルス列,スペクトルをリアルタイムで計測し,その動作特性について学ぶ.レーザーの 出力ファイバーを延長し,非線形効果であるラマン効果を観測する.ファイバーへの入力を変えるとラマンパルスの波長が変わることを確認する.(4名)

キーワード:産業用フェムト秒ファイバレーザー,非線形ファイバー光学
  1/31(火),
 2/1(水),
     2(木)
光ファイバの基本測定と増幅・非線形応用
古河電気工業株式会社 高坂繁弘,忠隈昌輝,太田健史

3種の光ファイバを用いる実験を行う. (1)カットオフ波長,曲げ損失測定:この測定を通じ,シングルモード・マルチモードの違い,導波の原理を理解し,光ファイバ素線の基本的な取り扱い方や融着接続方法を身に着ける.(2)エルビウム添加ファイバ増幅器の増幅特性測定: この増幅特性測定を通じ,光増幅原理と雑音発生原理を体験する.(3)光パルス圧縮実験: ピコ秒の光パルスをフェムト秒に圧縮する実験を通じ,光パルスの測定方法,自己位相変調によるスペクトル拡大と異常分散による分散補償を体験する.(6名)

キーワード: カットオフ波長,曲げ損失,融着,EDFA,利得,雑音指数(NF: noise figure,),光パルス圧縮,高非線形ファイバ,自己位相変調,光ソリトン