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平成20年度夏学期(前期)講義・実験実習内容

〔講義〕 先端光科学講義 I
開講時期: 4〜7月 月曜日10:15 〜 11:45
教室: 東京大学本郷キャンパス 理学部化学本館4 階講義室
日付 タイトル
担当
内容
4/21(月) 光メモリー光源用の2種類の青色半導体レーザー
日亜化学工業株式会社 横浜技術研究所 松下俊雄、大森雅樹、近藤秀樹、大村新吾
 光メモリー用青色半導体レーザーについて、開発エピソードを交えながら、アプリケーションに必要な性能とその技術について解説する。
5/12(月) 先端分光計測のための光学の基礎
東京大学大学院理学系研究科 畑中耕治
 光計測、光制御の行う上で必要となる光学の基礎を学ぶ。電磁波、偏光、屈折、干渉、回折、レーザー、光ファイバーといった基礎的事項を確認するとともに、各種光計測・光制御のために必要な光学素子の役割について概観する。
5/19(月) 高強度フェムト秒レーザー励起X 線光源技術
NTT 物性科学基礎研究所量子物性研究部超高速光物理研究グループ
中野秀俊
 物質の動的過程を調べるための有力な道具となる高時間分解能のX 線分析・分光を実現するためには、X 線超短パルスが必要である。こうした超高速X 線光源をフェムト秒レーザーを利用して実現する方法を解説し、時間分解X 線分光の実施例を紹介する。
5/26(月) フェムト秒ファイバーレーザー
アイシン精機株式会社 イムラレーザー事業グループ 大竹秀幸
 フェムト秒パルス発生とファイバーレーザーの基礎、そしてファイバー中の非線形効果を学び、フェムト秒ファイバーレーザーとその最新の応用について学ぶ。
6/2(月) 光ディスクの原理と将来動向
株式会社リコー 研究開発本部先端技術研究所 北林淳一
 光ディスク開発の歴史を紹介し、CD/DVD システムとその原理、そして、最新の光メモリ技術について学ぶ。
6/9(月) レーザによる微細加工技術
オムロン・オムロンレーザーフロント株式会社 窪田恵一
 レーザによる微細加工の基本原理と産業応用への展開について紹介し、産業用途に要求されるレーザ加工の特長と加工品質を学ぶ。
6/16(月) 光の量子性と光子計数法
東京大学大学院工学系研究科 五神 真
 輻射場の量子性について、説明し、光と物質の相互作用における光の量子効果について解説する。さらに実習と関連し、光の量子論的制御法とその検出法についても解説する。
6/23(月) 量子カスケードレーザとその応用
浜松ホトニクス株式会社 中央研究所材料研究室 枝村忠孝
 量子カスケードレーザーの特性と、その動作原理を学ぶ。中〜遠赤外光源としての量子カスケードレーザーの可能性と、その応用について理解を深める。
6/30(月) 非線形光学とその計測への応用
東京大学大学院理学系研究科 畑中耕治
 レーザーなどの高強度の光と物質が相互作用するときに特徴的に観測される各種非線形光学現象を概観する。またそれらの非線形効果を利用した非線形ラマン分光法などの各種測定手法について紹介する。
7/7(月) 重力波天文学が生み出した新しいレーザー技術〜高出力ファイバーレーザーとセラミックレーザー〜
電気通信大学レーザー新世代研究センター 植田憲一
 ダイナミックな宇宙像を観測しようとする重力波天文学は量子雑音限界を追求する超高安定化レーザーを要求する。極限レーザーの追求が、その副産物として産業用キロワット出力ファイバーレーザーや核融合用セラミックレーザーを生み出してきた。科学研究と技術開発の相互刺激の一つのあり方を示しながら、新しい光科学研究の方向を検討する。
7/14(月) ランプによるUV光及びVUV光の発生方法と産業界での光の応用
ウシオ電機株式会社 総合技術研究所 森本幸裕
 ガス放電ランプの内、紫外(UV)域から真空紫外(VUV)域の光を発するランプの発光原理について解説し、ランプを作る上でのキーポイントを説明する。そして、UVランプ、VUVランプの産業界における応用について学ぶ。

〔実験実習〕 先端光科学実験実習 I
開講時期: 4〜7月 火、水、木曜日の各曜日 13:00〜17:00
教室: 東京大学本郷キャンパス 理学部化学本館地階1 0 0 6 室
日付 タイトル
内容
4/22-24
(火-木)
光メモリー光源用2種類の青色半導体レーザの特性評価
日亜化学工業株式会社 横浜技術研究所 松下俊雄、大森雅樹、近藤秀樹、大村新吾
 青色半導体レーザを用いたピコ秒動作の光波形観測、ノイズ測定とノイズ低減、外部共振レーザの特性評価の3つのテーマについて実習を行う。
5/13-15
5/20-22
(火-木)
先端分光計測のための光学の基礎
東京大学大学院理学系研究科 畑中耕治、岩崎純史
 光学素子等の性質を学びながら、偏光・干渉・回折などを用いた分光計測を行う。講義内容と連携して、実際に光計測に光学素子や光の性質がどのように使われているのか実習する。
5/27-29
(火-木)
フェムト秒ファイバーレーザーを用いたモードロックと非線形効果の観測
アイシン精機株式会社 イムラレーザー事業グループ 大竹秀幸
 フェムト秒ファイバーレーザーを用いて、モードロックされた状態でのパルス列、スペクトルをリアルタイムで計測し、その動作特性について学ぶ。レーザーの 出力ファイバーを延長し、非線形効果であるラマン効果を観測する。ファイバーへの入力を変えるとラマンパルスの波長が変わることを確認する。
6/3-5
(火-木)
光ディスクの中身を覗く
株式会社リコー 研究開発本部先端技術研究所 北林淳一、横井研哉、戸村辰也、大内田 茂
 光ピックアップの焦点検出、トラック検出信号を観測し、その原理について学ぶ。また、回折限界まで光を絞り込むための、対物レンズの光学調整の難しさを体験する。さらに、実際のDVD ドライブ(市販品)を分解しつつその構造を知る。
6/10-12
(火-木)
レーザによる微細加工技術
オムロン・オムロンレーザーフロント株式会社 窪田恵一、中村 強、工藤秀悦
 レーザによる微細加工の基本原理と産業応用への展開について紹介し、産業用途に要求されるレーザ加工の特長と加工品質を学ぶ。
6/17-19
(火-木)
光子相関計数法とその応用
東京大学大学院工学系研究科 吉岡孝高、大間知潤子、島崎俊彦
 講義と連携し、光子相関計数法の実習を行う。光子計数法により、2次の相関計測の実習を行い、各種光源の統計性を調べる。
6/24-26
(火-木)
量子カスケードレーザとその応用
浜松ホトニクス株式会社 中央研究所材料研究室 秋草直大、枝村忠孝
 はじめに量子カスケードレーザーの動作特性を学ぶ。赤外吸収分光光学系をセットアップし、吸収スペクトルを取得・解析し、レーザーを光源とした吸収分光法 の優位性や、今後解決すべき課題を検討する。また、大気や排気ガスなどを測定対象として分析装置としての実証実験を行う。
7/1-3
7/8-10
(火-木)
非線形光学とその計測への応用
東京大学大学院理学系研究科 畑中耕治、岩崎純史
 講義と連携して、レーザーなどと物質が相互作用するときに観測される非線形光学現象を使った先端分光計測法について実習する。
7/15-17
(火-木)
UV光の分光法と光化学反応の体験実習
ウシオ電機株式会社 総合技術研究所 森本幸裕、溝尻貴文、小田史彦、遠藤真一
 放電ガス圧力の変化による放射スペクトルの移り変わりを分光測定し発光現象と分光法を理解して頂く。また、波長の異なるUV光をガラスに照射して水に対する濡れ性の変化に触れ、光化学反応の波長依存性を体験実習する。