〔講義〕 先端光科学講義 II |
開講時期: |
冬学期(10〜1月) 月曜日2時限(10:15〜11:45) |
開講場所: |
東京大学理学部化学本館5階講堂 もしくは2階講義室 |
日付 |
タイトル 担当 |
内容 |
10/20(月) |
ハイテクを支えるものづくり
近藤洋介、多幡能徳、野崎喜敬(シグマ光機) |
光源、位置制御、光学部品などのユニットは、目的に応じた形で組み合わされることによって、最先端アプリケーションシステムの構築に応用されている。個々の構成要素がいかに組み合わされて、最新システムが構成されているかを学ぶ。 |
10/27(月) |
回折光学からナノ光学まで
黒田 亮(キヤノン) |
格子干渉計測技術(ナノ計測)、超解像リソグラフィ技術や近接場光リソグラフィ技術(ナノ加工)、色収差補正の望遠レンズや偏光素子(ナノ光学素子)について、基本動作原理と産業応用の実例について解説する。 |
11/10(月) |
バイオセンサのフォトニクス
納谷昌之(富士フイルム) |
ナノフォトニクス技術を用いたバイオセンサの原理、およびバイオセンサ関連機器について学ぶ。今後のシステム構築には欠かせない光技術、材料技術について解説する。 |
11/17(月) |
光学産業における光学技術
大木裕史(ニコン) |
光学産業で行われている研究開発の事例を紹介しながら、大学の 光学教育であまり触れられない幾何光学・収差論・結像論の要点 を解説する。光学産業をより身近に感じるための講義である。 |
12/ 1(月) |
生体分子を観る!測る!
橋本 武(オリンパス) |
形態から生体内分子の機能や相互作用の観測へ、21世紀の医療・ライフサイエンスの発展を支えるイメージング機器は、大きくその役割を変えようとしている。その背景にある技術は何なのか?本講義ではその一端を、顕微鏡分野を中心に、レーザ技術との関連を含めて概説する。 |
12/ 8(月) |
光MEMSデバイスとその応用について
梶山 康一(ブイ・テクノロジー) |
MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)は、インクジェットヘッド、圧力センサ、加速度センサー、ジャイロスコープ、DMD(DigitalMicro-mirror Device)などに活用されている。MEMSデバイスの一般的内容とそれを応用した計測装置、加工装置および露光装置について具体的な例を引用しながら説明する。 |
12/15(月) |
先端光科学におけるフーリエ光学応用
神成文彦(慶應義塾大学理工学研究科) |
フェムト秒レーザーのような広帯域光パルスの応用においては,時間域と周波数域のフーリエ変換が様々な用途に応用される。本講義では,フーリエ光学を用いた,パルス波形整形,パルス波形計測,2光子励起スペクトル計測,CARS,光コヒーレンストモグラフィ,などの原理と応用を学ぶ。 |
1/19(月) |
産業用高出力レーザーの技術
西前順一(三菱電機) |
産業用レーザ加工機に搭載される各種高出力レーザの技術を原理から加工応用まで最新の開発動向を交えて解説する。光技術を中心として高出力ならではの課題に対して適用される熱、材料、信頼性工学などの各種要素技術や加工機として動作させるための制御、システム技術についても紹介する。 |
1/26(月) |
光ファイバおよび光ファイバ通信の測定技術の原理と光ファイバセンシングへの応用
足立正二(横河電機) |
光ファイバおよび光ファイバ通信の測定・評価法を学び、光ファイバ通信技術への理解を深める。また、光ファイバ線路測定技術から生まれた光ファイバセンシング技術について、技術動向と産業への応用例を学ぶ。 |
〔実験実習〕 先端光科学実験実習 II |
開講時期: |
冬学期(10〜1月) 火・水・木曜日 3・4・5時限(13:00〜18:00) |
開講場所: |
東京大学理学部化学本館地階1006号室 |
日付 |
タイトル |
内容 |
10/21(火), 22(水), 23(木) |
光学デバイスの取り扱い、光学応用システムによる加工・評価
近藤洋介、多幡能徳、野崎喜敬(シグマ光機) |
基本的な光学特性である干渉、偏光、回折、屈折、反射などを理解するため、干渉計や投影光学系、エリプソメータなどの光学系を組み、配置や調整方法、光学素子・光学部品の取り扱いについて学ぶ。自分の目で見、自分の手で操作すると言う体験によって理解を深めると同時に、理論を実現化する際に注意すべき箇所や部品の性能による影響などを認識する。また、レーザー加工機を実際に使用し、シリコン基板等の加工および評価を行う。(10-12名) |
10/28(火), 29(水), 30(木) |
ナノ光計測制御
黒田 亮、山田朋宏(キヤノン) |
回折光学素子にレーザー光を照射し、回折光を合成・干渉させその強度を計測する。回折格子にピエゾ素子を取り付け微動させると、微動距離に応じて干渉光強度が周期的に変化する。逆に干渉光強度の変化からナノメートルレベルの微動距離量を計測することができる。個別の光学部品や電気部品を組み合わせて計測系を製作し、ナノメートルレベルの精度で所望の位置に固定・移動等の位置制御が可能であることを確認する。 |
11/11(火), 12(水), 13(木) |
SPRバイオセンサを作ってみよう
納谷昌之、都丸雄一、安田英紀(富士フイルム) |
ナノフォトニクスを用いるバイオセンサとして代表的な、「表面プラズモン共鳴(SPR)センサ」の実験を行う。ブレッドボード上で光学系組み立て、調整を行うことで、全反射やSPRの原理を理解する。さらに、身近なサンプル(ジュース、コーラなど)のSPR信号を実測し、この技術の有用性を体験する。(6名) |
11/18, 25(火)
※両日受講する必要があります |
レンズ設計・基礎から実践まで
大木裕史、石山敏朗(ニコン) |
プロの現役レンズ設計者が、プロ用レンズ設計ソフトを用いて指導するレンズ設計実習授業。受講者全員にノートPCを貸与し、ソフトの使い方、収差図の見方から始まってカメラレンズを自主的に設計するところまで短期間で一気に指導する。2回の実習で完結し、設計結果講評会で締めくくる。(20名) |
12/2(火), 3(水), 4(木) |
生体分子を観る!測る!
橋本 武、杉山 崇、瀧本真一(オリンパス) |
レーザ走査型顕微鏡は、生体内分子を観て測る機器として、今やガンを初めとする疾病研究など、生命現象の解明を続ける基礎研究者達必携のツールとなってい る。本実習では、実際に無色透明な細胞内オルガネラを蛍光色素標識し、さらにレーザ走査型顕微鏡を操作して3次元観察する、一連のバイオロジー研究の基礎 に取り組んでもらう。(6名程度) |
12/9 (火), 10(水), 11(木) |
DMDによる映像表示および画像解析に関する実習
水村 通伸、滝本 政美(ブイ・テクノロジー) |
MEMSデバイスであるDMDを使用した簡易プロジェクタ実験装置を使用し、任意の映像パターンを投影、パターン表示タイミング制御の実習を行う。また、DMDを使用した非接触3次元表面形状測定機能をもったYAGパルスレーザ加工装置も導入し、微細パターンニング/表面形状測定の実施と、DMDによるパターン投影/カメラによる画像キャプチャーから画像解析の基礎理論を検証する。(4-5名程度) |
12/16(火), 17(水), 18(木) |
フェムト秒レーザ波形整形と周波数域干渉波形計測
神成文彦、矢澤洋紀(慶應義塾大学理工学研究科) |
液晶光変調器を用いたフーリエ波形整形器を実際に組立,整形された波形を周波数干渉によって計測する実験を行う。(6名) |
1/20(火), 21(水), 22(木) |
高出力半導体レーザーとビーム成形技術
西前順一、今野進(三菱電機) |
高出力レーザー装置の共通エンジンである高出力半導体レーザー(LD)の特徴と、実応用に際して重要となるビーム成形技術について実体験を通じて学ぶ。まず高出力LD光をそのまま集光観測し、高効率・高出力ではあるが、応用展開には問題のある性質であることを体感する。続いてLD光成形光学系について、光線追跡法で動作原理を把握し、実際に組立て調整を行い、再び集光観測して応用展開しやすいビームに変換されることを確認する。(6名) |
1/27(火), 28(水), 29(木) |
光ファイバ線路測定・評価および光ファイバセンシングの原理に関する演習
足立正二(横河電機) |
光ファイバ線路で必要となる測定技術について実習を通じて学び、光ファイバ線路技術への理解を深める。また、光ファイバセンシングの原理について実習を通じて学ぶ。(6名) |