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12月2日(月)富士フイルム株式会社の納谷 昌之 先生による先端光科学講義II「進化しつづけるナノフォトニクス」、ならびに、12月3日(火)〜12月5日(木)納谷 昌之 先生、安田 英紀 先生による先端光科学実験実習II「SPRバイオセンサを作ってみよう」が開催されました。

講義では、ナノフォトニクスを理解するために必要な光について理解するため、光と電子の相互作用の結果として我々は光を感じることが出来るということ、また光をマニュピュレートするためには電子との相互作用を通じて行えばいい、ということをご紹介いただきました。次に、近接場から始まり、バイオセンサや医療等に応用されている表面プラズモン共鳴、表面増強ラマンの原理とその応用事例、ならびにナノ構造を用いたメタマテリアルによる遮光フィルム製品などについて解説いただきました。最後にナノフォトニクス応用製品として最近実際に市販されている赤外遮光フィルムについて、実物を使ったデモを交えながらそのナノ構造と遮光特性などについてご紹介いただきました。

実験実習では、講義と連携して表面プラズモン共鳴をもちいたバイオセンサ計測装置を、2グループに分かれて部品から組み立てを行い、その装置を用いた評価計測を行いました。それぞれのグループで、半導体レーザー、コリメーションレンズ、ミラー、SPR計測用プリズムとセル、CCDカメラを組み合わせて、TAの指導のもと、グループメンバーと協力して計測装置の組み立てを行いました。出来あがったSPR装置で、濃度の異なるアルコール試料のSPR信号を測定し、アルコールの濃度による屈折率変化を計測し、濃度に比例して屈折率が変化いる様子、また高濃度領域では重合による屈折率変化の特異性が現れることを観測しました。SPR装置を使って、様々な日本酒6種類を試料として屈折率測定を行い、、得られた結果と日本酒度、アルコール濃度から、試料がどのお酒に相当するのか、「SPRによる利き酒」を行いました。各グループで結果について考察して発表を行い、正解とその計測結果について議論を行いました。
休憩時間中には、ナノフォトニクス製品である赤外遮光フィルムの貼っているガラスとそうでないガラスでの遮光特性を比較するため、ランプに2種類のガラスを通して照射された板チョコレートが溶けるのに必要な時間の比較を行い、遮光フィルムによる熱透過の性能について体験しました。

本実習では、「先端光量子アライアンス」ならびに「東京大学工学系研究科附属光量子科学研究センター」にご支援いただき、博士課程学生の安藤 俊明 さん、大神 征爾さん(東京大学大学院理学系研究科)にティーチングアシスタントとしてお手伝いいただきました。

写真はこちらをご覧下さい。