講義では、半導体露光プロセスによって製造されている液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンス(OEL: Organic electro-luminescence)ディスプレイの製造プロセスと、そのプロセスに必要な検査、修正技術について解説いただきました。また、画像処理技術とDMDを用いた製造工程における検査過程で欠陥を発見するための光学計測技術について、その基礎と実際の計測例をご紹介いただきながら解説いただきました。
実験実習では、DMD: Digital Mirror Deviceを用いた投影プロジェクタ装置を用いて、カラー画像、カラーアニメーション映写の原理についての実験と、非接触3次元表面形状顕微鏡による欠陥探索実験を行いました。投影プロジェクタ実験では、白色光を3色フィルターのついたカラーホイールによって3原色化し、各色の残像の重ね合わせで画像に様々な強度で着色される様子を観測し、理解しました。次に カラーホイールを駆動するステッピングモーターとDMDの動作が同期することによって、カラー画像がアニメーションとして投影される様子を確認しました。また、欠陥探索実験では、DMDを用いた非接触3次元表面形状顕微鏡を用いて、液晶ディスプレイの製造工程で発生するカラーフィルターの欠陥を観測し、高速な顕微3次元計測と相関検査でどのように欠陥が検出されるのか実際に体験しました。
本実験実習では、先端光科学アライアンス「APSA」、工学系研究科附属光量子科学研究センターのご支援により、精密工学専攻 松本侑己さんにティーチングアシスタントとしてご協力いただきました。