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2018年11月19日(月)オリンパス株式会社 土井厚志 先生による先端光科学講義II「生体分子を観る!測る!」 、11月20日(火)〜22日(木) 土井厚志 先生,高橋保夫 先生,小江克典 先生,井元兼太郎 先生による 先端光科学実験実習II「生体分子を観る!測る!」が開催されました.

講義では,科学技術分野で活用されている様々な顕微鏡の原理,応用例について解説していだきました.まず,顕微鏡に必要不可欠なレンズがフーリエ変換の作用をしていること,様々な観測情報をフーリエ面で光学的に様々な変調を加えることによって,微弱信号のコントラストが改善される例をご紹介いただきました.続いて,蛍光分子を用いて生体内の所望の場所だけ観察する蛍光顕微鏡や,高さ方向の光セクショニングを可能にする共焦点顕微鏡について解説していただきました.最近,広く用いられるようになっている生体の深部観察に適した二光子顕微鏡やSIM(Structured illumination microscopy)STED(Stimulated emission depletion)Localization microscopyといった超解像顕微鏡の先端的な顕微観察技術について解説いだきました.最後に,胃カメラに代表されるようなファイバー先端に内蔵される内視鏡用の小型顕微鏡についても紹介していただきました.

実験実習では,3つのグループに分かれて実習を行いました.直接光と回折光の干渉を検出する位相差顕微鏡を用いた透明試料の観察では,光学定盤上に組み立てた位相差顕微鏡の位相差リングの役割を理解し,自分で光路を実測して適切なサイズの位相リングを製作し,実際に顕微鏡に配置して透明試料を観察しました.リングの位置や大きさによって,得られる顕微情報が異なることなどを実際に体験しました.次に,3つの細胞内器官を染色し,それぞれの蛍光色素に適した波長の光で励起した際の発光を顕微鏡で計測することで,それぞれの細胞内器官の分布が観測できることを実際に体験しました.また,蛍光顕微鏡観察に必要な,微弱な蛍光を捉えるための光学素子や,各蛍光色素からの発光強度の励起波長依存性の役割について考察しました.最後に,共焦点レーザー走査型顕微鏡を構成するガルバノミラー,レーザーコンバイナー,共焦点スリット,検出器の位置や役割を理解したうえで,検出器の感度や走査速度を調整しながら得られる顕微画像の変化を確認し,試料の3次元像を計測しました.



2018 November 19 〜 November 22 オリンパス株式会社
講義・実験実習風景