講義では、光を使ったバイオセンサについて、表面プラズモン共鳴(SPR)をもちいた免疫反応センサ技術と抗体抗原反応をセンシングする上でナノフォトニクスを用いることの利点について講義いただきました。普通の伝搬光と近接場光の違いについて、エバネッセント光、SPR、局在プラズモン共鳴の原理とSPRの実際について、SPRを使った抗体抗原反応に必要な光源、計測セル、計測系への要求など、実際にデータを示しながら解説いただきました。他にも、ナノフォトニクスを用いた表面増強ラマンセンサの原理と計測への応用・利点についても詳しくご紹介いただきました。
実験実習では、講義と連携して表面プラズモン共鳴(SPR)効果を利用した計測装置の組み立てと計測を行いました。2つのグループにわかれて、それぞれ半導体レーザー、偏光素子、計測セルとカメラを組み合わせて計測装置を組み立てた後に、濃度の異なるアルコール試料のSPR信号を測定し、アルコールの濃度によって屈折率変化に対応したSPR信号が得られることを確認しました。次に、組み立てた装置を使って、身近な飲料を5種類、試料としてSPR信号を測定し、得られた結果と資料から、試料がどの飲料か議論して、それぞれのグループが発表しました。その後、解答をもとに議論を行いました。
本実習では、「先端光量子アライアンス」ならびに「東京大学工学系研究科附属光量子科学研究センター」にご支援いただき、博士課程学生の松本伸之さん、三浦瞬さん(東京大学大学院理学系研究科)にティーチングアシスタントとしてお手伝いいただきました。
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